と気になりお調べですね。ニートの状態のお子さんの社会復帰は、親御さんにとっても大きな悲願となっていることでしょう。
しかし、実際に社会復帰を目指す際には、その空白期間や裏側にある原因の多くがハードルとして立ちはだかります。
そこから親御さんがどのように動き出すのか、何ができるのかを考えて、具体的に「支援を開始すること」ができなければ、現状維持のまま長期化の一途をたどる可能性があります。
そこでこのコラムでは、「ニートからの社会復帰」をテーマに、その原因や具体的にできる支援を紹介します。
また実際10年以上ものニートを経験し、そこから社会復帰を果たした体験談も合わせて解説しますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
ニートからの社会復帰は、お子さんが自らの「働き方」「生き方」を見つけることが大切です。
そのためには、実際にいろいろと行動しながら、そしてときには誰かのサポートを受けながら模索するしかありません。頭の中だけで考えても、現実にうまくいくとは限りませんから、やりながら考えていくことが必要です。
そして、社会復帰をゴールとしたときに、その手段は「就職」だけではありません。親御さんの世代とは異なる価値観が、気持ちのすれ違いにつながることも知っておくべき事柄です。
十人十色という言葉があるように、また多様性があるという考え方があるように、お子さんと向き合って「どのように動き出すのがこの子にはいいのか」を考えてみましょう。
お子さんの社会復帰を目指して親御さんが支援するとき、「働き方」「生き方」を見つけることを意識できると、新しいアプローチを見つけることもできるはずです。
そこでまず、ニートから社会復帰が困難となる原因をみていきましょう。
なお、あくまでも代表的な原因であり、追求することにこだわる必要はありません。「例としてこうした背景がある」程度にとどめて、これからの行動を考えるきっかけとすることが大切です。
ニートからの社会復帰が困難となる代表的な理由は、以下のとおりです。
ニートからの社会復帰が困難になるのは、そもそも働きたくないという気持ちが一つの原因としてあります。
何を思って「働きたくない」と口にするのかは、それこそこれまでの経験や抱えている社会への不安などによって異なります。
例えば、一度は就職したものの挫折を経験したのかもしれませんし、働く意味がわからずに就職すらしなかったということもあるでしょう。
親世代の働き方を見て、あんな仕事中心の生活はいやだと思い、働きたくないと言う人もいます。
働きたくないと考えている以上は社会復帰を目指すこともできず、その気持ちを動かせない限り現状維持が続きます。
また、働く意味が分からないというのも、ニート本人からよく耳にする社会復帰しない原因です。
「ニートは働く意欲のない甘えた若者」ではなく、「働く意味がわからない」ことで動き出せないこともあるからです。
例えば、ニートの人は出世欲や物欲がない人が多く、そこまでお金に執着しないため、頑張って働く意味が見つけにくくなります。
「生活のためなら働くべき」と考えても、何か頑張る理由や、仕事のやりがいがないままでは、仕事への意欲は徐々に薄れてニートに戻ってしまうこともあるでしょう。
このようにニート状態にあるお子さんは、働く意味を見出せず、就職できても続かず、社会復帰が困難となるわけです。
【関連記事】ニートは働く意欲のない甘えた若者か?
ニートの人たちの多くは、働いた経験がない・または少ないため自信が持てません。
自信のなさはそのまま行動にも影響し、一歩を踏み出せないままズルズルと現状維持に落ち着いて、ニート状態が長期化する可能性が高まります。
また一歩を踏み出せたとしても、履歴書の空白期間を指摘され、そこに何らかの問題があったのではないかと疑われてしまうかも知れません。
仕事に就いたとしても、経験の少なさから、失敗してしまうこともあるでしょう。
自分に自信がないと、そんな出来事に押しつぶされて、またニートに戻ってしまう可能性もあります。
人間関係に恐怖心がある場合、他者との関わりを避けてニートを継続しやすいことで、社会復帰が難航します。
その背景はさまざまで、職場で失敗して叱責を受けた、学校での交友関係をうまく構築できなかったなど、個々の背景により異なります。
人間関係の恐怖心を取り除くためには、徐々に人に慣れていく必要があることから、早期解決を目指しにくいのが実情です。
原因となった過去の人間関係のトラブルについて追求するのではなく、これから人間関係の苦手さにどう向き合うかが大切になるでしょう。
ニートから抜け出すために社会へ出ようとした際、そこに恐怖心があり動き出せないケースもあります。
例えば、働いた経験がある人なら「また同じ挫折感を味わうのでは」、社会に出たことがなくても「役に立たず怒られるのでは」などが挙げられます。
また、人間関係に苦手意識があると、それだけで社会そのもへの不安や恐怖を抱いて、動けないこともあります。
こうした社会への恐怖心は、ニートから抜け出す新しい一歩を邪魔してしまい、社会復帰が遠のく原因となります。
単なるニート生活だけではなく、ずっと家の中に引きこもっていた場合、働くための体力が足りないため社会復帰が困難となる場合があります。
身体を動かさずに家の中で過ごしたことで身体が衰え、正社員のような長い雇用時間に対応できないからです。
働いているとどうしても精神的な疲れがあります。そこを乗り越えるには、精神的な体力だけではなく肉体的な体力がいるものです。
そのため、「外に出て遠くまで散歩してみる」「筋トレをしてみる」「短時間のアルバイトからはじめてみる」などの体力づくりを並行できることから始める必要がでてきます。
ニートの社会復帰は、精神的な問題に限らず、こうした肉体的な一面にも目を向けてみる方がいいでしょう。
ニート状態にあるお子さんが自身が、社会復帰なんかできない、無理だと最初から決めつけて動かないこともあります。
こうした場合、親御さんがお子さんを少しずつ社会へつなげて、「自分でもできる」という成功体験を積み上げる必要があります。
できないと思う理由には、自らが求める理想が高すぎる、完璧主義であることも多くあります。
そんなときは、理想と現実の違いを知っていくためにも、社会経験を積むことが必要です。
親御さんが「正社員が当たり前」などと考えている、または「もっと良い仕事がある」「もっと理想を高く持て」と言葉にしていて、親御さんの価値観が本人に影響している場合もあります。
その時は親子が離れて気持ちをリセットする方が効果的かも知れません。
ここまで、ニートのお子さんにとって社会復帰が困難となる以下の代表的な原因に触れました。
では、こうした原因がある中で、具体的に社会復帰を目指す方法はあるのかを見ていきましょう。
親御さんがニートの子どもをサポートし、一緒に社会復帰を目指すときには、まず次のことを頭に入れておきましょう。
どうしても親御さんは、自分の経験からアドバイスをしてしまいがちです。ですがまずは、親御さんが子どもの価値観を知ることから始めてください。
親御さんの世代とお子さんの世代では、仕事への価値観とは大きく違っています。その一例は以下のとおりです。
仕事の考え方は時代とともに変わり、機械化・AIの発展によって「面白くやりがいのある仕事」「つまらない仕事」の2極化が進みました。お子さんがニート状態だと、最初は「つまらない仕事」に就く可能性が高くなります。
さらに、親御さん世代が当たり前に求めていたマイホームやマイカーには、お子さん世代は「持つ必要がない」とマイナスのイメージすら持っていますし、家でゆったりと過ごしてゲームを楽しむことで満足できます。物欲がなく、お金も多く稼ぐ必要がありません。
また豊かな時代に生まれ育ったため、本当の意味での「貧困」を知りません。ニートや引きこもりの人たちは将来不安なことは貧困ではなく孤独と答える人が増えました。
このように、親御さん世代と比べて価値観が大きく異なります。親御さんが良いイメージを持っている言葉が、子どもには悪いイメージに捉えられている可能性があります。
違う価値観を完全に理解するのは難しいので、「子ども世代とは価値観が違う」ということをまず理解してください。
決して親御さん世代の価値観を押し付けないようにしましょう。お子さんがこれから生きていくのは、今の時代、子ども世代の価値観で作られていく社会です。
親御さんがニートや引きこもりのお子さんに言ってはいけない代表的な言葉が、「働け」です。
仕事中心に必死に生きてきた親御さんの背中を見て、「自分はああはなりたくない」「ああいう風にはなれない」とマイナスイメージを持っているお子さんは少なくありません。
また正社員になれば安定・正社員になってほしいといった親世代の希望は、終身雇用が崩れた今の時代にそぐわず、そのギャップにお子さんが苦しみます。
お子さんにとっての「働け」は、仕事に忙殺される暗い未来をイメージさせる可能性があります。ですので「働け」は動き出すきっかけとなりません。
そんな時は、「働け」ではなく「幸せになれ」と伝えることを私たちはおすすめしています。
そもそも親御さんが「ニートから抜け出してほしい」「社会復帰してほしい」と思うのも、お子さんの幸せを願ってのことです。まずはその気持ちを伝えるようにしましょう。
とにかく働くよりも、お子さんが「自分の幸せとは」「自分がしたい生き方とは」と考えながら行動していくことが大切です。
ニートの状態から社会復帰を目指すときには、「役立ち感」を優先することも大切です。
親御さんはつい、「あなたのためだから」とお子さんに言ってしまいがちです。親御さん世代は、「頑張るのは自分のため」と言われ、そう思ってやってきたからです。
ですが若い世代では、その前提が崩れていることを知っておきましょう。
子ども世代は自己肯定感が低く、自分で自分のことを認められません。認めていない相手、つまり自分のためには頑張れないのです。
そこで優先して欲しいのが、「役立ち感」です。「人の役に立った」「感謝された」という気持ちが、自分を支えてくれます。
自分のためには頑張れなくても、人のためになら頑張れるのです。
「役立ち感」で仕事を継続するために、以下のような仕事の選び方をしてみてください。
いいお給料よりも、「役立ち感」が満たせる環境の方が、結局仕事が続くかも知れません。
ニート状態のお子さんが社会復帰を目指す場合、「仲間の存在」も重要な役割を果たします。
仲間がいると、「向こうもなんとか仕事を続けている、自分ももう少し続けてみよう」という気持ちになるものです。
ただし、職場で仲間を見つけるのはあまりお勧めしません。退職すると関係が切れてしまう可能性が高いからです。言いにくい愚痴も出てくるはずです。
まずは仲間を見つけ、そして仕事をはじめるという流れの方が、うまくいきやすいでしょう。
親御さんは子どもが自ら仲間を見つけられるなら後押しし、できないなら親御さんが寮といった同じ悩みを持つ人たちの輪の中へつなげる役割を担う必要があるでしょう。
【関連記事】引きこもりが社会へ出るために、親が知っておくべき2つのこと
ニートからの社会復帰で、親御さんができることは以下が挙げられます。
まず、お子さんがニートになってまだ1年に満たない場合は、自らの意思で動き出すことを見守ります。
何か挫折した経験があるのかもしれませんし、他に夢があって努力をしている最中なのかもしれません。
心の傷を癒したり、自らの道を見つけたりする重要な期間と考えて、お子さんの気持ちに寄り添い、理解することを目指します。
先ほど述べた世代による価値観の違いなどについて勉強したり、この1年で動き出さなければ次にどうするか情報収集するのもいいでしょう。
1年の間、お子さんがニート状態から動き出さず社会復帰が実現しなかった場合、親御さんから積極的に働きかける必要があります。
この時点で見守り期間を打ち切り、本人に対してできるアプローチをしなければ、「放置・不干渉」のような状態になってしまい長期化しやすくなります。
具体的には、以下の支援を基本として「お子さんが本当に望んでいることへの支援」を行う時期です。
ニートのお子さんが社会復帰する際に必要な支援として、親御さんが背中を押してあげることが大切です。
どれだけ働きかけても動き出せないことがありますが、親御さんは諦めずに試行錯誤しながらアプローチを繰り返し、働きかけましょう。
ただし、本人の口から出る「意思」を全て尊重するのは、注意が必要です。
本当のことを言えていないかも知れませんし、現状からどうすれば抜け出せるのか自分でも分かっていない可能性があります。お子さんが本当に望んでいることは何かを、考えながら行動するようにしましょう。
【関連記事】引きこもり・ニートに親ができること「本人の意思を尊重しない?」
親御さんがお子さんを支援して背中を押し続け、ニート状態が3年を超えても社会復帰できない場合には「第三者へ相談」しましょう。
「親だけで思いつく方法がない」と思われたら、2年目でも相談してください。
ニートの状態は長期化するほど社会復帰へのハードルが高くなり、より抜け出せない状態に陥ります。
我が子しか知らない親御さんでは知識に限界がありますし、第三者だからこそ見つけられる支援があります。
「身内の恥を晒すことはできない」と考えている親御さんもいるかもしれませんが、第三者に相談することは恥ずかしいことではありません。むしろスムーズに対処できることで現状を打破するきっかけを作れるものです。
具体的な相談先は、サポステ・ジョブカフェ・NPO(ニュースタート含む)などがあります。
親御さんだけでは対処できない状況にあっても、第三者だからこそできるアプローチで社会復帰の糸口を見つける努力を重ねますので、まずはお気軽にご相談ください。
【関連記事】【接し方】引きこもりの息子・娘を持つ親御さんへ|辛いと感じたらすぐ相談
ここからは、ニート状態にあるお子さんを抱える親御さんが知っておきたいことについて紹介します。
「ニート状態にあるお子さんの社会復帰=正社員になること」と考える親御さんは、たくさんいらっしゃいます。
ですが私たちは、親御さんが正社員思考を辞めることが大切だと考えています。
その理由は、正社員にならなくても生活を成り立たせて、自立とはっきりと言える状態で過ごして社会復帰を果たした例が多くあるからです。
正社員がゴールではないとすると、何からはじめるべきか迷う人も多くいます。
そのような場合には、短時間から働くことに慣れてもらうことから考えてみましょう。
例えば、「未経験OK」「短期OK」などのハードルが低い仕事で、実際に労働を経験してもらって「働けた」という成功体験を積むと言った形です。
また、社会へ継続的に参加する力を身につけるために「仕事にとりかかること・その前の段階の準備」を支援する就労支援というサービスもあります。
就労支援については以下で触れていますので、どうしたら良いか迷ったときにはぜひ参考にしてください。
【関連記事】引きこもり・ニートで就労支援は受けられる?仕事探しの解決策とは
短時間働けるようになったら、「じゃあ次は正社員に」と考えるのは禁物です。
正社員はどうしても仕事の責任が大きくなり、ストレスが倍増します。ニート状態に一気に逆戻りしてしまうかも知れません。
それよりもここで、自分らしい「働き方」「生き方」を見つけてもらうことを考えましょう。
例えば、ニュースタートの卒業生たちには、「あえてバイトの方がいい、それより余暇を楽しめる方が大事」といった選択をする人も少なくありません。物欲の少ない彼らは、バイトでも自立生活を成り立たせています。
またニート祭りにご参加いただいた葉梨はじめさんは、和歌山県の限界集落にある廃校で「月2万円」というお金で暮らしています。
正社員をゴールとして目指すと、ハードルが高くなる一方ですから、こうした「自由な発想と新たな生き方」に触れることもまた一つの正解を見つけるきっかけになるはずです。
親御さんの気持ちからすると、「正社員として働いて立派に自立して欲しい」と考えることは当たり前です。
しかし、本当にニート状態にあるお子さんのことを考えるなら、本人が望んで幸せを感じられる生活に向けて支援を行うのもまた、親心と言えるのではないでしょうか。
なお、ニート祭りは以下の記事で動画を添えて紹介していますので、ぜひご覧ください。
【関連記事】ニート祭り2022開催決定!
お子さんのニート状態が10年以上続くと、社会復帰はより厳しくなるのも一つの実情です。
なぜなら、以下の理由から就職が厳しくなり、社会復帰へのハードルがグンと上がってしまうからです。
確かにニートの解決は簡単ではありませんし、その原因も多様性があり複雑ですから長期化しやすい事柄ではあります。
しかし、10年以上の空白期間はお子さんにとっての大きな足枷となりかねませんし、脱出するには親御さんだけの支援では足りないことがほとんどです。
積み上げられたこれまでの時間によって生まれたハードルは、ニート状態にあるお子さんの社会復帰をより厳しくしてしまうことは避けられない事実でしょう。
そこで検討して欲しいのが、第三者による新しいアプローチや支援を受けることです。
お子さんのニートが長期化しているなら、親御さんだけで何とかしようとせず、第三者へ相談するようにしてください。
ニートの状態は時間の経過とともにハードルが高まり、社会復帰はそう簡単に叶わなくなることもあるでしょう。
だからこそ、本コラムで触れた3年という期間を必ず待つ必要はありませんし、長期化しているなら素早く動き出すことがお子さんのためにもなります。
ニュースタートではこれまで、実際に10年以上もニートとして過ごした寮生を含め、その多くを社会へつなぎ復帰への支援を続けてきました。寮生の就職率は、近年は9割を超えています。
日本経済新聞では、引きこもり13年から入寮し、自立した卒業生の親御さんを取材した記事が掲載されたこともあります。
また、講演会やセミナーなども定期的に開催し、ニートから実際に社会復帰を果たした人の体験談(後述で掲載)も公開しています。
現在のお気持ちや状態まで、丁寧にヒアリングしたうえで支援をご提案します。ニート状態が長引いているなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
こちらでは、実際にニートの状態から社会復帰した人のなかから、代表的な体験談を3つ紹介します。
【10年ニート・Sくん】
大学を卒業後に、規則正しい生活・人間関係・満員電車・ネクタイなどを考えると、「ああ無理だ」と感じていたそうです。その後、ニュースタートへ入寮し、ニートから社会復帰を果たしています。
「動きたくない」という気持ちと「このままじゃだめだ」というのが混在してるんですよね。
当時の僕だったら、行かなきゃいけないのはわかってるけど行きたくないなと。
でも、あきらめてほしくもないんですよ。
なんとかしてほしいって思ってても拒否するんですよ。
それもこれも嫌だって。
1回、2回とかであきらめられると動けない。
イエスが出るまで、親は言い続けてほしい。
【関連記事】いざ就職という時に、怖くなっちゃって─42歳・10年ニート・Sくん
【4年ニート・Tくん】
大学を卒業後に4年間のニートを経験、ニュースタートの訪問支援から入寮し、ニートから社会復帰を果たしています。
(訪問支援を)1回だけ受けました。
その1回の訪問の後、扉ぶっ壊したり色々あって。行くだけ行くか、っていやいや来ました。ニュースタートに来てからは、住民票が実家のままなので、投票する時にしか帰ってないです。帰った時に、自分の部屋は色々物が置かれてて、自分の帰るところが無かったです。(親が)取り繕おうともしないあたりがもうダメだな、と思いました。
【関連記事】働いてあきらめがつくようになりました─31歳・4年ニート・Tくん
【8年ニート・Sくん】
8年間のニート期間で、心配した弟さんから集中訓練プログラムの説明を一緒にニュースタートへ聞きにきて、そのままプログラムへ参加したことをきっかけに、社会復帰を果たしました。
僕はその時話を聞くだけで帰るつもりだったんですけども、スタッフの方と話をして、一か月後に就職、バイトでもなんでもいいから働いてなかったらこのプログラム参加しようと期限を決められて。
今までずっと働いてなかったのに急に一か月で決まらないなぁって思ったので。その時の勢いもあって、その場で「そのプログラムに参加します」と言ったのがきっかけです。
僕の知らないところで動いてくれていたみたいで・・・そんな気を遣って時間を割いてくれてたんなら、話だけは聞きに行ってみようかなって。
【関連記事】甘えられる状況があって、甘えていたら…─38歳・8年ニート・Sくん
最後に、ニートからの社会復帰に関するよくある質問へまとめて回答しますので、ぜひ参考にしてください。
個人差があるものですが、例えばニートの定義では15〜35歳となっていますから、単純に考えるなら『35歳まで』なら許されるという形が一つの回答でしょう。
誰に許されたいのかが明確ではありませんし、いつまで許されるかを考えると「親がいつまで養うか」という形となるからです。
このニートに関する年齢の定義は、イギリスや内閣府・総務省が公開している情報をまとめた年齢の範囲です。
あくまでも一例とはなりますが、社会復帰を目指すために線引きするなら、「許す・許さない」ではなく、ここを読んでいる「今」がタイミングではないでしょうか。
【関連記事】引きこもりやニートを脱却するには?定義や原因よりも早めの相談が解決のカギ
ニートから社会復帰することに、年齢は関係ありません。
働こう・動こうと思ったときがタイミングですし、そのきっかけも個々人で異なりますので、年齢という一つの基準ではバラ付きがあり一定の基準を明確に示せないためです。
あえて、いつまでに社会復帰するのかを決めるとするなら、ニートの定義である『35歳』まで。
ただ、ニートの期間が長くなればなるほど社会復帰のハードルが高くなりますし、就職先や受けられる支援も徐々に減り続けてしまいます。
さらには、8050問題(80代の親が50代の子どもの生活を支える)に直面すると、生活の継続が難しく、親子共倒れとなることもあるでしょう。
年齢に関係なくできるだけ早期にニートのお子さんへの支援を開始し、今後のことを考えてみてください。
【関連記事】ニートが就職する方法と受けられる支援|引きこもりとの関連性まで解説
ニート状態にあるお子さんの社会復帰は、親御さんの支援によって十分に目指せるものです。
ただ、年齢や期間は関係なく、その原因に多様性があったとしても『動き出すこと』がなければ解決しません。
1年目の見守り、2年目に行う親御さんからの支援で事態が動き出さない場合には、ぜひ第三者へ相談してください。
親御さん世代との価値観の違いや、思わぬ意見の相違ですれ違うことだってあります。
だからこそ第三者の客観的な意見が、新たな発見や違うアプローチにつながります。
支援を強要することはありませんので、まずはお気軽にご相談ください。
同じ引きこもり・ニート状態であっても、その状況はそのご家族によってみな違います。
ニュースタート事務局では、ニート・引きこもりの解決のために、あなたの息子さん・娘さんに最もよいと思われる方法を、豊富な経験からご提案いたします。
認定NPO法人ニュースタート事務局スタッフ。青山学院大学理工学部卒。担当はホームページや講演会などの広報業務。ブログやメルマガといった外部に発信する文章を書いている。また個別相談などの支援前の相談業務も担当し、年に100件の親御さんの来所相談を受ける。
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