とお考えではないでしょうか。
自分の子どもが引きこもりになってしまったら、居ても立っても居られないほど不安になってしまいますよね。
その答えをインターネットに求めてしまう気持ちはよくわかります。
しかしながら、「あなたのお子様が引きこもりになった原因はこれです」と一言で答えられるほど、引きこもりの原因は単純ではありません。
なぜなら、引きこもりになってしまうきっかけや環境は多種多様であり、ケースによって全く異なるからです。
このコラムでは、「引きこもりの原因は親にあるのか」といったテーマを軸に、「子どもが引きこもりになってしまう心理」や「引きこもりになってしまった子どもに対して親はどのように対応したらよいのか」について紹介します。
この記事を読めば、親と引きこもりの関連性や親が取るべき対応について具体的に考えられるようになるはずです。
あなたとお子様が幸せに生きていけるように、参考にしていただければ幸いです。
それ以外の引きこもりの原因全般についてお知りになりたい場合は、こちらのコラムをご覧ください。
目次
引きこもりは、『親のせいでなってしまうのではないか』という不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。
しかしながら、引きこもりになる原因が親にあるケースは少ないかもしれないということが、内閣府が公開している「若者の意識に関する調査」の調査結果から読み取れます。
調査結果の表を見てみると、以下の2つの項目が多い結果となっており、意外にも「親」という項目がありません。
表には「その他」の表記があり、このカテゴリに含まれている可能性もあります。
ただ、項目自体が存在しないということは、際立って「親」は関係していないのではないかということが言えます。
上で見たように、内閣府の調査結果からは、親が引きこもりの直接的なきっかけになることは少ないと言えます。
しかし、決して親が引きこもりに関係ないということはありません。
なぜなら、以下3つの理由があるからです。
わかりやすく説明していくので、子どもの気持ちと現状と比較しながら読み進めてみてください。
困難経験とは、社会生活や日常生活を円滑に過ごせなかった経験のことです。
令和2年に内閣府がおこなった「13歳から29歳までの子ども・若者の10,000人を対象の調査結果」をみてみましょう。
子どもや若者が抱える困難について、家族・家庭に絞って社会生活や日常生活を円滑に送れなかった理由をまとめたグラフがあります。
グラフからは、13歳から29歳の子ども・若者が以下のような困難経験をしていることがわかります。
他にも、甘やかしや虐待、生活の心配が必要なかったことも挙がっていますね。
こうした困難経験を抱えている子ども・若者は、引きこもりの原因を親が作ったと考えてしまいやすいです。
たとえば、家庭内の不和や離別があった空間では、将来の不安や自分の気持ちを素直に伝えられません。
また、家庭内で子どもが孤立していたら、自分の気持ちを誰に相談したらよいのでしょうか。
そして、引きこもりになってしまったきっかけには就職活動や人間関係がうまくいかなかったという項目が含まれていました。
つまり、子どもは家族・家庭にあった困難経験によって、自らの不安や気持ちを相談できずに孤立して引きこもりを選んでしまう可能性が高くなるわけです。
さらに、引きこもりの子どもは、気持ちを打ち明ける相手に「親」を選ぶ割合が低いことも見逃せない重要なポイントです。
先ほどお伝えした困難経験と密接に関わりがあり、親が引きこもりを長期化してしまう原因になります。
まず、悩み事を打ち明ける相談先の調査結果として、引きこもりの人は当てはまらない人と比べて「親」や兄弟を選ぶ割合が少ないことがわかっています。
以下の令和元年に内閣府が調査し、特集として公開している「長期化する引きこもりの実態」で公開された以下の内容をみてください。
青いラインが引きこもりの人、オレンジは引きこもりに当てはまらない人の回答数を割合で表示しています。
引きこもりの人は、親や兄弟に相談したいと考えている割合が低く、さらに「誰にも相談しない」と回答しているのは45%もいることがわかりました。
そして、2019年に厚生労働省が調査した結果には、引きこもりの人の親と子どもに対してヒアリングした以下のようなまとめが残されています。
(家族調査の結果)
引用:厚生労働省|ひきこもりの実態に関するアンケート調査報告書~本人調査・家族調査・連携調査~第4部 全体のまとめ
「ひきこもっている子どもの気持ちを知りたい」,「子どもへの具体的な関わり方を学びたい」,「支援機関や支援制度の情報を知りたい」,「子どもの理解を深めたい」に関しては,当初の「期待」よりも「実際」の方が低いという結果が示されました。
家族におこなわれたヒアリングでは、引きこもりの子どもが抱える気持ちや関わり方を知りたいという傾向が低いことがわかりました。
では、本人はどのような気持ちを持っていたのでしょうか。
(本人調査の結果)
引用:厚生労働省|ひきこもりの実態に関するアンケート調査報告書~本人調査・家族調査・連携調査~第4部 全体のまとめ
「家族の気持ちを知りたい」,「自分の経験談を話すことで、心を軽くしたい」に関しては,当初の「期待」よりも「実際」の方が高いという結果が示されました。
本人は、家族の気持ちを知りたかったり、相談をしたいと感じている傾向が強いことがわかります。
つまり、第三者ではなく「家族はどのように考えているのかを気にしている」という家族調査とは違った結果となったわけです。
そして、13歳から29歳の子どもが親や家庭に関する以下のような困難経験をしていることをお伝えしましたね。
もし、こうした経験のある子どもが引きこもりになってしまっていたら、相談先に「親」が選ばれることなく1人で抱え込む結果となるはずです。
そのため、これまでお伝えした結果をまとめると
という2つの要素によって、引きこもりの長期化を招いてしまう1つの原因が『親』である可能性は捨てきれないわけです。
さらに、引きこもりが長期化する原因に親が関わってしまい悪循環が出来上がる「ある仕組み」があります。
この仕組みには、社会・家族・個人という3つの要素が関係しています。
たとえば、引きこもりに該当しない通常の家庭では、いずれも相互に接しており、お互いに影響を受けることでよい循環を作り出していく以下のような状態ができあがります。
つまり、社会という大きな枠組みに、家族と個人が関わりを持てる状態で存在していることで、それぞれが無理なく循環していける状態です。
そして、社会・家族・個人は以下のように「それぞれ接点を持つ」ことを、正常に機能しているとします。
しかし、引きこもりを引き起こしてしまった場合は、親が原因となって以下のような個人が社会と接点がない状態になっている可能性が考えられます。
家族の存在が大きくなることにより、個人は家族とだけ接点があり、社会と切り離されてしまいました。
そうすると、社会の循環からは外れてしまい、家族は個人と社会を別々にみる傾向がでてしまいます。
そして、引きこもりの人は、親や兄弟に相談する割合が低く、さらに「誰にも相談しない」と回答しているのは45%もいることをお伝えしましたね。
つまり、家族に悩みや気持ちが打ち明けられないということは、家族との循環も失い「個人だけの空間」ができあがることが簡単に想像できるわけです。
そうなると、引きこもりの子どもは親が原因によって以下のような状態となってしまいます。
そして、個人だけで循環することで、気持ちや行動がうまく伝わらないといったことが起きてしまい、以下のような困難経験(社会生活や日常生活を円滑に過ごせなかった経験)をしてしまうわけです。
つまり、社会から切り離されてしまったり、家族と意思疎通が円滑にできなかったり、というように個人は引きこもりとなりやすい状態ができあがってしまうわけです。
一方で、家族は焦りや不安を感じてしまうことから、引きこもりの子どもを「改善しよう」と働きかけます。
しかし、個人が家族や社会から隔離された状態では、家族の気持ちや行動は円滑に伝えられず、社会の情勢といった大切な情報も届きません。
さらには、家族がおこなう改善への試みだけが目立つことで、何も知らないまま押し付けられた印象が強くなります。
その結果、こうなった原因は「親のせい」という気持ちを高めてしまうことで、さらに個人の孤立という悪循環を生み出します。
だからこそ、親が適切にできることを知り、子どもに対して無理のないアプローチをしていくことが求められるわけです。
引きこもりの子どもに、親ができる代表的な対応方法は以下の2つです。
親が子どもを支援する方法は、すぐに支援を開始できる代わりに、親のせいと考えてしまっている気持ちのケアが必要です。
第三者からの支援を受ける方法は、中立な意見を受けられる代わりに、適切に対処しなければ社会に対して不信感を抱いてしまう可能性があります。
それぞれ何から始めたらよいのか、どのように進めたらよいのかを説明するのでぜひ参考にしてください。
親が子どもを支援する方法は、居心地がよい我が家から外に向けて動き出してもらうためのアプローチが基本です。
ただし、いきなり働くことを強く勧めたり、学校にいくこと自体を強制しては逆効果になってしまいます。
そのため、親が子どもを支援するなら以下のようなゴールを設定し、段階を踏んで少しずつ前向きになってもらう必要があります。
ハードルを少しずつ越えられるように、無理のない範囲でアプローチすることで、隔離されていた社会情報の整理をサポートしましょう。
いままで見てきた経験から、引きこもりの子どもが興味を持つゴールを設定できると自然に伝えられるはずです。
ここで大切なのは、『いまの子どもの気持ちを知り、歩み寄る』ということです。
改善しようとして以下のような循環を作ってしまうと、親が原因となって引きこもりが長期化してしまいます。
親が引きこもりの子どもにお願いするのではなく、少しずつ気持ちを伝えてもらって対処していく『自主性』がポイントになります。
親の支援によって、引きこもりの子どもが我が家から外に向けて動き始めてくれたら、また違う目標を立てて徐々に解決していくわけです。
親から引きこもりの子どもに対しておこなう支援は『2年』を基準にして考えましょう。
引きこもりの子どもに対する親の支援が、適切な方法であれば『2年』ほどで状況は大きく変わるためです。
大きく変わるというのは、「少し会話ができた」というレベルではありません。
というように、明確な違いが出ていることが大切です。
もし、引きこもりの子どもに親が支援を『1年』続けても、改善の見込みがないなら第三者から働きかけてもらうことを検討しましょう。
それでも、大きな変化がないなら『2年』を基準として、第三者からの支援を本格的に受けることをおすすめします。
また、親から支援するのには厳しい状況と判断できたときも、第三者からの支援は非常に心強い選択肢となります。
親から引きこもりの子どもに向けて支援を続けて2年が経過している、または手段が思いつかずに困っているなら第三者からの支援を検討しましょう。
引きこもりの子どもに対して、「第三者からの支援を受けること」は悪い方法ではありません。
引きこもりに対する知識や経験が豊富にあるため、原因が親のせいであっても何ができるのか、といった対処を心得ているためです。
また、支援を開始してから1年ほど経過しているなら、第三者の意見を取り入れることで新たな方法を模索できます。
こうしたアクションをおこなうことで、より引きこもりの子どもによい支援のきっかけを得られることもあるでしょう。
もちろん、第三者の介入が必ずしもよいとは言い切れませんが、アドバイスを受けるだけで変わる状況があるのもまた事実です。
ただし、引きこもりの子どもが親に原因があるとして、それを理由に暴力を振るうようなことがあれば、すぐに第三者に相談することをおすすめします。
また、『2年』続けて大きく変化がなければ、3年目からは第三者の支援を受けましょう。
長期化してしまう前に、対処の選択肢が多い段階で依頼することが解決のきっかけとなることがあるためです。
引きこもりの子どもに対する親の支援になぜ『2年』という期限をつけているのか、詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
ということなら、認定NPO法人ニュースタート事務局まで気軽に相談してください。
引きこもりは長期化してしまうことで、なんとかしたいという気持ちがマヒしてきてしまいます。
引きこもりの子どもが持っていた前向きな気持ちが弱まることで、親からおこなう支援だけでは解決が難しくなるためです。
引きこもりの子どもが抱えている「親のせい」という気持ちが、長期化によってさらに強まることで支援を続けられなくなるケースもあるでしょう。
引きこもりは長期化するほど、解決が難しくなり、受けられる支援の種類も減ってしまいます。
少しでも早く相談することで、それだけ解決する糸口や手段を見つけられます。
と後になって責められないように、ぜひ気軽な問い合わせから相談してください。
ここからは、親が引きこもりの支援を続けるために知っておきたい知識を紹介します。
ここまで、子どもが引きこもりになる原因に親が関係していること、そしてこれから何をしたらよいのかまでお話ししました。
「親が子どもを支援する方法」を検討しているなら、ぜひ知っておきたいのが引きこもりの人に当てはまりやすい4つの特徴です。
なんとなくタイプは、引きこもりの子どもは困っているように見えず、はっきりとした原因もわからない特徴があります。
引きこもる強い理由がないケースが多いため、「〇〇までにバイトをしなかったら〇〇にいってもらう」というように期限を決めて押し出しましょう。
そのとき、できなかったらどうするのかという話を入れておくのがポイントです。
夢追いタイプは、夢を追いかけ続けて勉強といった創意工夫を続ける特徴があります。
といったように何年も繰り返し、バイトや就職を寄り道してしまうケースが多いです。
新しい価値観を持ち込み、豊富な選択肢が生まれるように支援しましょう。
暴君タイプは、引きこもりの原因は「親のせい」といった理由で暴力や暴言が多いのが特徴です。
暴力や暴言がこないように距離をとり、第三者の介入によって解決することが大切です。
他人に迷惑がかかるからとおさまるまで待つと、子どもが自分の未来を諦めて行動をおこさなくなってしまうこともあるため、すぐに相談しましょう。
最後に、友達親子タイプは、仲のよい親子に見える特徴があります。
しかし、その仲のよさを壊したくないため「働く」・「学校に通う」といった肝心な話ができていないケースが多いです。
長期化しないためにも、友達ではなく「親として」子どもと向き合いましょう。
こうした引きこもりの子どもに当てはまりやすい特徴や、対処方法について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
少しでも、引きこもりの子どもが抱えている気持ちに寄り添えるように、適切な方法を考えていきましょう。
引きこもりになった原因が、親にあってもなくても「子どもの気持ち」を知ることは支援のために大切な事柄です。
子どもに寄り添い、そして家族で新しい一歩を踏み出すきっかけを作るために時間をとって考えてみましょう。
引きこもりの子どもが抱えている気持ちの代表例は、以下の4つがあります。
それぞれ、引きこもりの子どもにある背景から、抱えている気持ちへの対処まで参考にしてください。
引きこもりの子どもが抱える気持ちの1つ目が、「自信がない」ことです。
これらはあくまでも一例ですが、こうした背景から自信を失っているケースがあります。
なかには、いまの自分の状態を親・第三者などにみられたくないと考えることもあるほどです。
心理的・物理的に引きこもらざるを得ない状態になってしまい、気持ちを打ち明けられずに1人で苦しむことは、長い人生で1度は誰にでもあるでしょう。
こうしたとき、頼りになるのは「ありのまま」を受け入れてくれる存在です。
改善策や考え方を伝えるより前に、本人をそのまま受け入れていくことが大切な一歩のために必要な準備となります。
他の人と比べることなく、大切な1人の子どもであり、個性があることまで目を向けられたら、支援の方向性も自ずとみえてくるはずです。
引きこもりの子どもが抱える気持ちの2つ目が、「自分を責めてしまう」ことです。
社会や家族のなかで、本来の役割が担えていないことを自覚していると、気に病むことで引きこもりとなってしまうケースがあります。
他にも、社会のレールから外れてしまったという焦りから、うまくやっていけない自分を責めてしまうこともあるでしょう。
こうした対処をしてしまうと、認めてくれない親が原因で引きこもりになったとして、暴力や暴言に発展してしまう可能性も捨てきれません。
引きこもりの子どもが自分を責めてしまうときは、原因を取り除くことよりも先に、適切な距離をとるようにして気持ちが落ち着くまで見守りましょう。
長期化してしまって、何かのきっかけが欲しいと感じたときには第三者への相談も検討してみてください。
引きこもりの子どもが抱える気持ちの3つ目が、「不安や期待が怖い」ことです。
周囲への不信感や気持ちの焦りで、さりげない一言にも過敏になることで現実から目を背けたい気持ちが引きこもりを後押ししてしまいます。
非現実的な夢を空想したり、ゲームに没頭することで考えないようにしているなど、神経をすり減らさないために「部屋に引きこもって何かをしている」ことがあるでしょう。
抱えている不安や、周囲からの期待に対して考え続けることで熟睡できず、長期間に渡って寝てしまっているケースもあるかもしれません。
このように、不安や期待が怖いと考える引きこもりの子どもがいるなら、その気持ちを親身になって聞くことが大切です。
ですが、必ずしも褒めたり、改善をおすすめしたりする必要はありません。
話しを聞くことで、考えていることが伝えている間に整理されて落ち着くこともありますし、どうしたらよいのか聞かれたときに力となってあげることもできます。
不安や期待を感じているケースでは、会話が解決のきっかけになるでしょう。
引きこもりの子どもが抱える気持ちの4つ目が、「何をしたらいいのかわからない」ことです。
といった気持ちで、行動を起こす意欲がでてこない結果として、何をしたらよいのかわからずに引きこもるケースがあります。
場合によっては、消えてしまえたら楽なのにというような考え方をすることもあるでしょう。
そもそも相談したところで解決できるのか、と疑い深くなってしまうことで気持ちが伝えられないこともあります。
ですが、心のどこかで解決したい、理解して欲しいという気持ちを抱いているはずです。
言葉をそのまま受け取ってしまうと、寄り添う前に諦めてしまいやすいため、落ち着いて子どもの気持ちを聞いてください。
ときには、選べる選択肢を伝えてみることが、解決のきっかけになることもあります。
「何をしたらいいのかわからない」という気持ちに耳を傾ける親心もまた、引きこもりを解決する糸口になることがあるわけです。
子どもが引きこもりになる原因の1つとして、親が不安に感じているのが「育て方」ではないでしょうか。
以下のような日常を過ごしていると、子どもが引きこもるきっかけを作ってしまう育て方になっているかもしれません。
こうした育て方は、いつの間にか子どもとの距離ができてしまって「引きこもりの原因」となってしまう可能性があります。
たとえば、平穏な日常を過ごそうとして、子どもに対して消極的になってしまえば、相談できない気持ちで胸が一杯になってしまうことがあるでしょう。
そうすると、親に負担をかけたくない、またはできないことで迷惑をかけたくないといった気持ちは出てきますが、何をしたらよいのかわからずに引きこもるケースがあります。
また、過保護なほど子どもを守ると、自らの意思で物事を決定できず、不安や親からの期待が怖くなってしまって引きこもりになるかもしれません。
さらに、親子関係の悪化を防ぐために友達のように過ごしていると、子どもの引きこもりを容認してしまうといったケースが出てくるはずです。
このように、将来が心配だけど波風の立たない日常や、過保護に子どもを守るような育て方をしている人は、今からでも立ち止まって考えてみましょう。
対話をしていたつもりでも、一方的となっていることで「子どもと気持ちの接点」がなくなり、いつの間にか引きこもりになる育て方になっているかもしれません。
引きこもりの原因の1つとして、親の育て方が影響を与えているかもしれないということをお伝えしました。
そこで、引きこもりの子どもに対して親ができることは「平穏な日常を捨てる」ことです。
日常を捨てるといっても、関与しないで自分自身で解決を待つということではありません。
大切なのは「親」や第三者からの働きかけによって、子どもの気持ちを知って適切な方法で引きこもりを解決することです。
ではなく、平穏を壊してしまう方法でも「子どもが未来へ動くため」にはどうしたらよいのかを考えていきましょう。
さらに引きこもりになる原因となるのが怖い人は、第三者の意見を聞いて行動に移すというのも1つの選択肢です。
より詳しく、引きこもりの親ができることが知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
このコラムでは、引きこもりの原因の1つとして『親のせい』という可能性があることをお伝えしてきました。
最後に、引きこもりの原因に関連する事柄と、これからの過ごし方の参考になるQ&Aを集めました。
ぜひ参考にして、これからのことを考えていきましょう。
A.発達障害による引きこもりは、実際に起きる可能性があります。
発達障害とは、注意力が低下して落ち着きがなく、衝動的な行動が症状として現れるADHDや、対人スキルや社会性に問題がある自閉症などの総称です。
この発達障害がきっかけとなり、対人関係に失敗したり、就職先でミスをしたことがトラウマとなって引きこもりになるといったケースが考えられます。
引きこもりの子どもと向き合うことで、初めて発達障害に気づくことができたということもあるため、関係性がないとは言い切れないでしょう。
もしかしたら当てはまるかもしれないと感じたら、外出先の1つとして病院を入れてみることをおすすめします。
参考:内閣府|ひきこもりと発達障害
5080問題とは、引きこもりの長期高齢化によって親が80代、子どもが50代を迎えたまま孤立してしまうことにより、生きることに行き詰まってしまう地域課題のことです。
引きこもりに限らず、病気や介護、リストラや経済的困窮によって社会的孤立を引き起こしてしまいます。
引きこもりの子どもを支え続ける親が80代となり、体力・精神的にも限界を迎えても、解決しなければ生活はままなりません。
5080問題を抱えている家庭のなかには、引きこもりが原因として当てはまるケースがあることを覚えておきましょう。
参考:厚生労働省|地域包括支援センターにおける「8050」事例への対応に関する調査
引きこもりの子どもがいるとき、父親は何をしたらよいのかと悩むケースは意外に多くあります。
もし、迷ったときには「母親の決断」に従ってみましょう。
普段からあまり交流がない家庭では、父親がいきなり関わろうとしても戸惑わせてしまい、距離を縮めることができないことがあります。
ただし、母親の決断に従うことは「任せきりにする」という方法ではありません。
内容を聞いて決断のときに相談相手となったり、お金が必要なときに支えたりとできることがあるはずです。
任せきりにしてしまうと、無関心に捉えられてしまうことがあるため注意しておきましょう。
また、子どもと交流するときには以下のような言葉を避けるようにします。
こうした言葉は、仕事で未来を切り開くという選択肢しか生まれず、これからまた社会復帰できるか不安な気持ちを残したまま、答えを探すことになります。
新卒で就職することができなかった経験をしていたら、そこに立ち戻るのは非常に厳しく辛い決断です。
好きな仕事や、やりがいのある仕事というハードルの高いゴールは子どもの引きこもりをこじらせてしまうことがあるため気をつけましょう。
もし、父親にできることは何があるのかさらに知りたい人がいましたら、以下の記事を参考にしてみてください。
厚生労働省によると引きこもりとは以下のような状態のことを指します。
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と呼んでいます。
引用:厚生労働省|ひきこもり施策について
「ひきこもり」は、単一の疾患や障害の概念ではなく、様々な要因が背景になって生じます。ひきこもりのいる世帯数は、約32万世帯とされています。
内閣府が平成28年9月におこなった「若者の生活に関する調査報告」から、引きこもりになった時点の年齢をみてみましょう。
引きこもりとなった時点の年齢は、15から19歳以下が30.6%、20から24歳が34.7%と20歳前後からという人が半数以上ということがわかります。
14歳以下 | 12.2% |
15〜19歳以下 | 30.6% |
20〜24歳以下 | 34.7% |
25〜29歳以下 | 8.2% |
30〜34歳以下 | 4.1% |
35〜39歳以下 | 10.2% |
若くして引きこもりとなってしまうケースは多く、将来のことを考えると「なんとかしてあげたい!」という気持ちになる人も多いのではないでしょうか。
さらに、厚生労働省が運営する「e-ヘルスネットへ2021年3月に提供された引きこもりに関する情報」からは、
といった背景が、引きこもりになってしまう原因として考えられることが記載されています。
つまり、病気や対人関係といった複数の要素によって子どもが引きこもりになってしまうわけです。
引きこもりになる原因は、親のせいだけということは決してありません。
いままでの経験から得た考え方や、人生における失敗が原因となって引きこもりになることがあるためです。
しかし、引きこもりを長期化させてしまったり、悪化させてしまうなどには、『親』による影響が考えられるでしょう。
ですが、反対に親の行動次第で子どもの引きこもりを解決できるのもまた事実です。
引きこもりの子どもに対して支援を2年続けても、大きな変化がでないときには第三者の力を借りましょう。
また、暴言や暴力があるときには、すぐに第三者へ相談することが大切です。
見守るだけ、平穏な日常を壊さないように支援するだけ、という日々を過ごすと引きこもりが長期化してしまいます。
親だからこそ何ができるのか、そして子どもはどのような気持ちで何を伝えたいのかをしっかりと考えて向き合う参考にしてみてください。
「そうは言っても、実際に本人は親にどうして欲しいんだろう」
そう思ったら、卒業生たちの声をお聞きください。
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同じ引きこもり・ニート状態であっても、その状況はそのご家族によってみな違います。
ニュースタート事務局では、ニート・引きこもりの解決のために、あなたの息子さん・娘さんに最もよいと思われる方法を、豊富な経験からご提案いたします。
認定NPO法人ニュースタート事務局スタッフ。青山学院大学理工学部卒。担当はホームページや講演会などの広報業務。ブログやメルマガといった外部に発信する文章を書いている。また個別相談などの支援前の相談業務も担当し、年に100件の親御さんの来所相談を受ける。
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