『ニートがひらく幸福社会ニッポン』
二神能基 著
2012年8月 明石書店 刊
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Amazon.co.jp: ニートがひらく幸福社会ニッポン――「進化系人類」が働き方・生き方を変える : 二神 能基: 本
定価1,890円 ニュースタート事務局にて販売中!
若者世代とその親の世代の価値観の違い、その違いに気付かず自らの価値観を信じ押しつける親と社会。
そんな環境が若者たちを動けなくしていきます。
でもその束縛から解放されると、彼らの求める幸せに向かって歩むようになります。
新しい価値観を持つ彼らを伴侶に選ぶ女性も現れはじめました。
彼らの持つ新しい幸福観は、これからの経済縮小の時代の流れに合っているのです。
新しい価値観がどんなものか、そして古い価値観に翻弄される若者の現状を、たくさんの事例を織り交ぜながら紐解いていきます。
巻末のトーク・セッションでは、明星大学名誉教授で日本精神衛生学会理事長の高塚雄介さん、清泉女学院大学長で国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所名誉所長の吉川武彦さんという、今は亡くなられた高名なお2人と、2010年発表の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」の問題点を語っています。
また2011年に放送されたNHKドラマ『下流の宴』脚本の中園ミホさん、演出の勝田夏子さんと、登場人物のモデルとなったニュースタートの卒業生を交えた対話もあります。
この18年間で、わたしたちのNPOの現場は、1200人の若者をニュースタートさせてきた。
彼らの大半は経済的自立を果たし、その多くが結婚し、子供を作ってきている。
「先生に助けを求めた時は、孫を抱けるとは夢にも思いませんでした。孫を抱いた時には涙が止まりませんでした。 先生、ありがとうございました。」と、あるお母さんから言われた時には、わたしも涙が止まらなかった。
そして、その感涙を伝えようと、全国各地で親、若者とじっくり話しこんできたことをまとめたのが、この本である。
序章 ●2012年の『希望のニート』
第1章 ●ニートを愛する女性たち
ニートの婚姻届
ニートの魅力に気づいた女性たち
経済力より人間性を重視する女性が創る21世紀型カップル
ヒモで生きる覚悟を固めた38歳の彼の「男らしさ」
やる気のない30歳の彼を理学療法士にした彼女の戦略
「ニートだけど、彼は自分らしさを持っている」
仕事も、結婚も、子育てもしたい女性たち
21世紀型価値観と30代女性たち
「30%の結婚でいい」
「ビルを建てるよりも、ツガイ(番い)を作るほうが大切である」
第2章 ●若者たちが求める「ふつうの幸せ」
ビンボーをゲーム世代で楽しむ世代
ニート問題が21世紀の哲学問題である理由
「勝ち負けから降りる生き方」への共感
「負けるが勝ち」という生き方
ニートがリハビリ現場の責任者になる時代
仕事がつまらなくなった時代
ポンコツ仲間とのまったりした、ふつうの幸せ
震災ボランティアで体感した「役立ち」
イタリア型幸福感
ニートは21世紀型進化系人類
第3章 ●ねじれ合う親子の価値観
成り立たない会話
20世紀型成功を求め続ける親
経済成長世代の傲慢さは変わらない
親の存在そのものが子供を抑圧している
強迫観念としての「いい子」の危うさ
問題は、親のコミュニケーション能力
「親子だから分かり合える」という幻想
母親に吞み込まれてしまいそうな恐怖心
二つの価値観で股裂き状態になるニートたち
34歳でひきこもる息子に「正社員」を切望するパート勤めの母親
子供の意思を尊重する、物わかりのいい親
「子供の自主性尊重」の落とし穴
「NO」の中の「YES」をこそ聞き分ける対話力
教師の母親を丸刈りにした32歳の息子からのラブレター
親子問題がこじれると、権力争いから復讐へエスカレートする
親子の会話が成立しない構造
違う価値観を認め合う親子関係
「家族の絆」報道に逃げ腰な若者たち
若者の希望は「国家破綻」
第4章 ●20世紀の父親の最後の出番
「日本では、仕事がそんなに偉いのか!」
家庭では母親が正社員で、父親がパートタイマー
21世紀の父原病?
「隣の車が小さく見えます」世代の寂寞たる日常
生涯現役世代の自覚なき貧しさ
「仕事になるから嫌です」が迫る意識改革
若者たちがニートになることで表現しようとしていること
娘が選ぶ結婚相手で、彼女の父親観がわかる
24歳の息子に恫喝されてニヤつく東大卒の父親
父親を二人目の母親にしてはいけない
父親は勇気を持って子供の背中を押してほしい
「5年以内に孫の顔を見せて」作戦
第5章 ●就労支援から人生支援へ
「就労が目標」の結果は「ワーキングプア」を作っただけ?
ひきこもり70万人と、厚労省の非科学的な新「ガイドライン」
ニートの大半は病気ではない
若者を薬漬けにしてしまう精神科医たち
コミュニケーション力がないのは、むしろ親たちのほうだった
ワーキングプアからの出発
「仲間・働き・役立ち」の三本柱で楽しく生きる
これからの就労支援は人生支援
ニートの若者には結婚力を!
結婚の民営化
NS代表からのリタイア
ハッピーボランティア
「子供はいつの時代も最先端」
「仲間・働き・役立ち」が、21世紀日本のキーワードになる日
経済縮小時代のハッピーシュリンク(幸福な縮小)
トークセッション
「ひきこもり70万人を社会へ」
パネリスト:高塚雄介(明星大学人文学部教授)
吉川武彦(清泉女学院大学学長)
司会進行:二神能基
特別出演:ひきこもり経験者4名
「下流の息子を愛せますか?」
出演者:中園ミホ(NHKドラマ『下流の宴』脚本)
勝田夏子(NHKドラマ『下流の宴』演出)
二神能基
ニュースタート卒業生2名
司会進行:中本英彦・北折祥子(ニュースタートスタッフ)
あとがき
『ニートがひらく幸福社会ニッポン』は、ニュースタート事務局にて、1,890円で販売中です。
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