『希望のニート ~現場からのメッセージ~』
二神能基 著
2005年5月 東洋経済新報社 刊 ※ハードカバー(文庫版もあります)
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希望のニート 現場からのメッセージ | 二神 能基 |本 | 通販 | Amazon
定価1,575円 ニュースタート事務局にて販売中!
目次
ニュースタートの創始者・二神能基による、初めての書籍です。
玄田有史さん・曲沼美恵さん著「ニート ~フリーターでも失業者でもなく」の出版が2004年です。
この書籍は、その1年後の2005年に出版されました。
支援者として直接若者と接している経験から、事例や若者の言葉を交えながら書かれています。
当時の流行からタイトルは「ニート」になっていますが、引きこもりに置き換えて読めます。
出版から約20年、現在にも通じる内容となっています。
この一冊で「ニート」にまつわる誤解はすべて払拭されるはずだ――
彼ら(ニート)の「スローワーク」が社会をもっと豊かで優しいものにしてくれるだろう。
わが子をニートにしたくないなら親はまずこの本を読んだほうがいい。
これまで、ニートを取り巻く問題に対し、主に三つのアプローチがなされてきました。
「労働経済学」的な観点、「社会政策」的な観点、それから「コミュニケーション能力」という側面から捉える見方があり、これらのアプローチに付随して、「格差論」や「若者論」が展開されています。
しかしながら、本書は、そのいずれのアプローチとも違う捉え方でニートの本質に迫っており、私は目から鱗が落ちる思いがしました。
これまでの考え方を切り換えて、「自立しなくてもよい」「助け合って、居場所を確保すれば良い」「そういう生き方は不幸ではない」ということを理解すべきときがきていると思います。
このような発想の転換のために「ニート」という存在が“梃子”の役割を果たす可能性があるのです。
日本の未来を変えるために必要な問いを「ニート」が発している――その指摘に私は希望を持ちました。
「自立とはワーキングプアになることか」
正規、非正規を問わず、若者たちの就労の現場は経営優先で劣悪なままです。
若者たちは必死に孤立した自立生活に耐えている。
ニート問題は、若者たちに就労を迫る「自立支援」の問題ではなく、私たちの社会が、若者たちをどのように受け入れどう育てていくのかの「社会化支援」の問題であると痛感させられております。
彼らが求めているのは、物やお金ではなく、普通の人間としての普通の幸福です。
ニート問題は、私たちに「人間の幸福とは何か」を問いかける哲学の問題だったと思い知らされています。
泥沼の経済戦場で孤立を深める日本の若者たちは、私たちの経済優先の考え方を変えることを静かに求めています。
これからは、みんなが少しずつ貧しくなりあって、「人間と環境に優しい日本」を造ってゆくこと、それが、ニートの若者たちの、そして私たちの明日への希望だと思います。
はじめに
真面目な親が子どもを追いつめてしまう
「やりたいこと」なんてない
糊しろのない生真面目さ
第一章 ●「ニートは働く意欲の無い若者」論の誤解
ニートとは誰か
誰でもニートになりうる
私もニートだった
「自分探し」への疲労感
トライ・アンド・エラー(試行錯誤)がない
「自立しなければ」という呪縛
モノより根性が欲しい
「金儲け」だけでは働けない
「お年寄りを待てる」という才能
「働く意欲のない若者」論の誤解
「ニート対策」の混乱――ニートには三タイプある
ただの人として、楽しく生きる
大人や仕事のモデル(見本)が少ない
とりあえず50パーセントの自立をめざそう
第二章 ●ニートとその親たち
同級生たちの「受験パパ」化
子育ての変質と受験競争
親が安心する優等生は、引きこもり系
「リターン・マッチ(敗者復活戦)」を急いでしまう親
働きがいより「お金」を重視する親や社会
子離れどころのレベルではない
あらゆる子育ての結果は偶然にすぎない
母子密着という悪循環
子どもに会社員人生を語れない父親たち
友達親子の嘘
定年サラリーマンの「社会力」
二神式「普通」の子どもの育て方
娘を私立中学校へ入学させた理由
第三章 ●ニートが生まれる時代
人生や仕事に希望がないからニートになる
ニートには自分が拠って立つ人間関係が必要
地方の若者ほど行き場がない
仕事をする意味を考え始めた世代
少子化、晩婚化、パラサイト族、ニート
社会は「パーツ労働力」だけを求めている
懐が深かった大人の思い出
社会の力、大人の力が落ちている
ニート問題の本質
第四章 ●どうニートと向き合うか
親と子を引き離すのが出発点
ニートはきっかけを待っている
「仕事体験」以上に「人間体験」が必要
親が子ども以外に関心を向けてみる
好きなことは見つからないけど、好きな女の子は見つかった
お遍路プロジェクト
他人と協力する意味を知る
学校以外の学びの場、会社以外の働きの場
社会力には三つある
「やりたくない仕事」から探す
あらゆる家族は出来損ない――「家族をひらく」意味
第五章 ●ニートという希望
効率至上主義とスローワーク
新パラサイト主義のすすめ
「雑居福祉村」という実践モデル
▶神様以外、人間はみんな障害者だ
▶能力に応じて働き、必要に応じて分配する
▶縦割りから横つながりへ
ニートと定年サラリーマンこそが希望となる社会へ
おわりに
『希望のニート ~現場からのメッセージ~』は、ニュースタート事務局にて、1,575円で販売中です。
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