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卒業生トーク「今日からここに住め、と言われました」

2017年9月11日

 

月1回、寮生と卒業生とが話すしゃべり場を設けています。

土曜の鍋会をやっている一角で、卒業生の話を聞く寮生の姿を見ることができます。

最新の卒業生トークの内容をお届けします。

 

 

 <今回話してくれる卒業生Iくんのプロフィール>


現在24歳。

17歳の時にニュースタートに入寮。

2年ほど明日葉寮で生活をしたのち、19歳で卒業。

その後は興味のある鉄道関係の仕事に就くため専門学校に進学。

今は中国語をマスターすべく台湾留学していて、只今一時帰国中。

いい形で夢を追っています。

 

 

DSC_0443.JPG

 

 


 

 

――ニュースタートに来るまでのことを教えてください。

 

不登校でした。

ニュースタートに来る前は、1回高校を辞めた途中で、何もしてませんでした。

ひきこもりではなく、遊びほうけて、友達の家に泊まって・・・という状況が1年ぐらい続いてました。

もうその時は成り行きでなるようになればいい、みたいな感じでした。

 

――どんなふうに入寮したんですか?

 

友達の家に泊まってたんですが、その友達が旅行に行っちゃったから、たまたま実家に帰り。

その次の日の朝、親に仕事の手伝いをしろと言われて着いて行ったらニュースタートで。

そこで親に「今日からここに住め」と言われました。

 

――急な入寮だったんですね。

  親に対しては、どんなふうに思っていましたか?

 

その時は怒りは湧いてたんですけど。

お腹が空きすぎていて、何も言えなかったし、なんか声も出なかったんですよ。

 

で、ここに連れてこられたとき、最初は、今はもう無くなってしまったんですけど、喫茶店の縁側に連れて来られて。

とりあえずカウンター座って、食べるメニューがそこに置いてあり。

「カレーの大盛り」って書いてあったんで、もう「頼もう」みたいになり。

「カレーの大盛りください」と言い、カレーの大盛りを食べました。

 

あと、連れて来られた時、車の中ではずっと寝てて外を全く見なくてここに来たんで、ここがまず日本のどこなのかが分からなかったです。

なので、後でグーグルで「現在地」って調べたら「千葉県」って出て、「あー、千葉県かー」、みたいな。

 

 ――ニュースタートに来てからの生活はどんな感じでしたか?

 

まず、ここで最初に会った寮生がSさんっていう方でして。

しかも寮で隣の部屋になった人でした。

Sさんとはすぐに仲良くなり、この人って良い人だな、この人に始まり、ここっていい場所だな、と思いました。

 
 ――ここにいる時に震災もありましたよね。

 

そうですね。

震災ボランティアにも行きました。

最初は震災の年の5月に行って、その後も、行きたいですと言って、何回か連れて行ってもらいました。

貴重な体験になったかなあ、と思います。

 

――他に思い出深い出来事があればおしえてください。

 

ニュースタートに来てから卒業するまでを大体で例えるとしたら、最初は入ってちょっと静かで、でいきなりこう、モチベーションがワッ、ってなって、でそこからまたダンッって下がって、でまたちょっと50%ぐらいまで上がって、その後こう、波打つ感じ。

で、卒業していく時は、もう、「ハイッ!」って感じでしたね。

卒業した後ですが、クリスマス会の司会も1回やりました。

 

 ――その最初の盛り上がりから落ちるきっかけは何だったんですか?

 

最初、色々な人が何かと話しかけてくれて、一気にそこで安心したんですよ。

とりあえずはここの人と仲良くやっていこう、と思い、それで一気にこう、安全ピンが外れた状態になり。

ジャイアンリサイタルみたいな感じで俺の声を聞け、みたいになりました。

3ヵ月ぐらい経って、寮生の1人から便せん5枚程に渡る手紙を貰いまして。
ある日部屋の入り口のところに封筒があって、開けて見たら、最初の1行目から、最後の1行目までびっしり書いてあって。
その最初の1行目に、「この量の手紙を見たらお前はどうせ間違いなく捨てるだろうと思うけど、まあ、とりあえず書くわ」みたいに書いてあって。
「ああ、じゃあ、捨てずに読んでやるわ」ってこっちも思い、読んだら、まず、「お前はうるさい」あと、「しつこい」あと、「酒の飲み方を覚えろ」と書いてました。

で、僕は、「お前にも悪いところがあったんじゃないか、なんで口で言わずに手紙で言うんだ、そういうのは、俺はあまり気分が好かないな」という手紙を返したんですよ。
そしたら、「確かにお前の言う通りだな」という手紙が返ってきました。

その後、1回会って話そう、ということになって、喫茶縁側かどこか場所を設けて話すことになり。

そこで2人で腹を割って「いろいろ言われたけど、俺も悪かった」みたいな話ができました。

 

――いろいろ波はありながら、どういう形で卒業していったんですか?

 

2012年の3月にライネル(当時ニュースタートが運営していた、技能連携校。高校の卒業資格が取れる。現在は閉校)卒業と同時に、ここは出て行くかな、ということにはなったんで。

何か先にすることを決めよう、と鉄道系を目指す専門学校に行くことにしました。

 

卒業した後ですが、クリスマス会の司会も1回やりました。

ここにいてよかった点が、来る前までは全く話さなかった親としゃべるようにはなったかな、みたいな。 


――台湾に留学したと聞きましたけど、何故台湾に行ったんですか?

 

専門学校での就活が上手くいってなくて、親に「海外留学でもしたら?」と言われ。

で、その時駅で働いてたんですけど、中国人の方は英語も話せなければ日本語も話せない方が多く、「ここ行きたいけどどう行ったらいい?どの電車使ったら行けるか?」とか、全部中国語で言ってくるんですよ。

 

で、この人たちが何を言っているのか分かったら面白いんじゃないか、と思ったんですけど。

大陸はやっぱり怖すぎるんで、台湾にしました。

今は鉄道会社を目指すか、台湾の大学に入学するか迷ってます。

 

 


 

 

彼が台湾に語学留学に行ったり、考えを実現できているのは、親御さんの「30歳までいろいろはやりたいことをいろいろやってみたらいい」という言葉があったからだそう。

これぐらいおおらかな親、うらやましいですね。

 

ふたつの道で迷っているIくんですが、9月には結論を出す予定だそうです。 

 

働き始めてしっくり来なかったら、それまでレールに順調に乗っている風の人でも辞めて自分探し・天職探しの旅に出たくなるもの。

だからIくんには、焦らず今存分にそのための時間を味わい尽くしてもらいたいです。

 

 

 

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