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【親にしてほしいこと】 卒業生Nくん(33) 「働けと言われても、どうやって?という感じで」

2016年12月26日

 「親にしてほしい5つのこと」

 

このタイトルで、講演会を開催しています。

 

講演会に参加した若者から、今回は卒業生Nくんの話を抜粋しました。

 

 


 

 

 ――ひきこもった理由を教えてください。


きっかけは大学3年の時です。

卒業研究のあたりから、ゼミの教授と助教授の仲が悪かったり、教授同士の学生の取り合いとかのいざこざがあったり。

そういう人間関係に巻き込まれた感じになって嫌になったのが始まりです。

 

――就職活動とかの手前ですよね。

 

そうですね。

なので就活はしてないです。

どうにも行く先が無くなってしまったので、一応、大学院に上がらせてもらったんですけど。

1日だけ行って不登校になりました。

一人暮らしのアパートで引きこもってたんですけど、夏ぐらいに友人にバレて。

親の方に連絡がいって、1年くらい経ってから連れ戻されました。

それから、ニュースタートに来るまで6年ぐらい、実家でプラプラ、ニートしてました。

親が退職して家にずっといるので、一緒に居たくなくて。

昼間は公園とか図書館とかに出掛けて、時間をつぶして夜帰るという生活をしてました。

 

――その間に、「この先どうしようか」という話はされましたか?

 

親から一方的にはありました。

「とりあえず動け」という抽象的なことを。

親の気持ちそのままなんでしょうけど、そう言われてもどうやって?という感じで。

何も言えなかったです。

 

――ニュースタートに来たのは、何がきっかけだったんですか?

 

年齢的な危機感が大きかったです。

ちょうど30歳になるところで、自分の中でこのままだと危ないなと思ってて。

親にそういう自分の気持ちを話してはいなかったんですけど、ちょうどその頃に親がニュースタートを見つけてきました。

親がニュースタートに話を聞きに行くことが何回かあってしばらくして、急に空港のチケットを渡されました。

「自分で決めて」と渡されたんですけど、最後までレールを敷いてもらって乗せていただいた感じです。

 

――自分でやるからやめてくれよ、という気持ちはなかった?

 

もう自分で動く気はなかったので。

最終的には天秤にかけた感じです。

親と一緒にいるのが嫌で、ストレスがすごかったので。

そこから逃げられるなら何でもいいという感じで決めました。

 

――親から厳しいこと言われず見守られていても、無言のプレッシャーがありましたか?

 

やっぱり同じ家の中でずっと一緒だと肩身が狭いというか。

息苦しいというか。

ずっと後ろから押されているというか。

圧迫感しかなかったです。

解放されたかったというのが大きかったです。 

 

――「親にしてほしいこと」を教えてください。

 

勘当してほしかったです。

 

――どのタイミングで?

 

早い方がいいんじゃないですかね。

個人的には、こうなる前にもっと失敗させてほしかった。

経験を積むという意味で。

親が全部やっちゃうと自分では何もせずに人生が勝手に進んでいくので、一回転んじゃうと立ち上がり方がわからないというか。

「失敗しちゃだめだ」というのが固定概念としてできると、相談もできなくなって、どんどん自分ひとりで抱え込んでしまったというのが、自分の経験上あったので。

 

――息子が自分からは話してくれないので、親の方からどういうことを言ったらいいのか。(来場者)

 

あまり親から言うと、ややこしくなるんですよね。

ちょっと距離が近過ぎちゃうというか。

自分も、共同生活で他の人といろんな話したりして、人間関係とかできたりしたので。

ひとりで抱え込むよりは、家族以外のコミュ二ティで視野を広げられた方がいいのかなと思います。

 

 


 

 

「勘当してほしかった」

 

この言葉は、来場者には衝撃だったんじゃないでしょうか。

 

ニュースタートに来てからのNくんは、寮にもすぐ慣れ、積極的に寮生活を過ごしていました。

就活を始めると、バイトもすぐ決まりました。

今もニュースタートの仕事を手伝ってくれる、頼れる卒業生です。

 

模範的な寮生から出る言葉だと思うと、重みが増します。

 

ですが本人は、親にそんな話を全くしていません。

自立した今だから思える、「してほしいこと」でもあるのでしょう。

 

「親にしてほしいこと」

それは、親が想像もしないようなことかも知れません。

 

 

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